こんにちはマサです。
今回はThinkStation PX(Intel)・タワー型ワークステーションのレビューをしていきます。
結論からお伝えすると、
ThinkStationのフラッグシップにあたるタワーワークステーションです。約220×575×440.4mm、約35.6kg。
CPUソケットが2つあり、Xeonを2基積みます。メモリは16スロットで上限2TBです。
電源は1850Wを2台の冗長構成。片方が落ちても動き続けます。最大消費電力は2350Wです。
PCI Express x16がGen5で4本、Gen4で4本。グラフィックスカードは4枚まで載ります。
ThinkStation PX(Intel)の評価

※評価はmasalog運営者の主観です
各項目は1.0〜5.0で評価しています。
| 点数 | 意味 |
| 5.0 | このクラスで最高水準 |
| 4.0 | 十分に満足できる |
| 3.0 | 標準的。価格なりで不足はない |
| 2.0 | 用途によっては足りない |
| 1.0 | おすすめしない |
5項目の内容は以下のとおりです。
| 項目 | 見ているもの |
| 処理性能 | CPU・メモリ・ストレージ。制作や解析の快適さ |
| コスパ | 絶対的な価格の安さではなく、同じ性能帯の相場と比べて価格が妥当かどうか |
| 拡張性・端子 | スロットとベイの数、あとから足せる余地 |
| 静音性・冷却 | 冷却方式とファン構成。高負荷時にどれだけ静かでいられるか |
| デザイン・質感 | 外観、筐体の素材、仕上げ |
総合点は5項目の平均ではなく、「この製品を人に薦められるか」という視点で別途付けています。
向いている人
- CPUのコア数を積み上げたい方(Xeonを2基、最大64コア/128スレッドです)
- メモリを大量に積む方(16スロットで上限2TBです)
- グラフィックスカードを複数枚使う方(4枚まで載ります)
- 止められない処理を回す方(1850Wの冗長電源です)
向かない人
- 置き場所が限られている方(約35.6kg・高さ440.4mmあります)
- 一般的な事務作業が中心の方(この構成は明らかに過剰です)
- 前面に端子が欲しい方(USBは背面のみ。前面はコンボジャックだけです)
- 予算を抑えたい方(ThinkStationでもいちばん上の価格帯です)
ThinkStation PX(Intel)のスペック評価
各パーツの性能をレーダーチャートにしました。評価の付け方は下のトグルからご確認いただけます。
各項目は10点満点です。主観で付けるのではなく、当サイトのベンチマーク比較表の数値をもとに算出しています。
| 項目 | 基準にしている数値 | 換算のしかた |
| CPU | PassMark(CPU Mark) | デスクトップPC向けCPU272件の最高値で10.0、中央値で5.0 |
| グラフィックス | PassMark(G3D Mark) | デスクトップPC向けGPU143件の最高値で10.0、中央値で5.0 |
| メモリ | 容量 | 8GB=6.0/16GB=7.5/32GB=9.0/64GB=10.0 |
| ストレージ | 容量と規格 | 256GB=5.0/512GB=7.0/1TB=8.5/2TB=10.0 |
| 電源 | 電源ユニットの定格W数 | 500W=5.0/750W=7.5/1000W=10.0 |
| 拡張性 | 空きスロットと空きベイの数 | 空きなし=5.0を基準に、メモリスロット空き+1.5/M.2空き1つにつき+1.0/PCIeスロット空き1つにつき+1.5/3.5型ベイ空き+1.0 |
CPUとグラフィックスは、以下の比較表の数値をそのまま使っています。
仕様書に載っている構成のうち、いちばん上の組み合わせ(Xeon Gold 6430・128GB・1TB・RTX 4000 Ada 世代)で評価したものです。このチャートには「ディスプレイ」と「バッテリー」の軸がありません。画面の付かない据え置き機だからです。ワークステーションは独立GPUを積むので、グラフィックスの軸は残しています。
「設置性」の軸は外しました。当サイトの換算(5kg=10.0/8kg=7.0/10kg=5.0)に約35.6kgを当てると0.0になってしまい、チャートとして読めなくなるためです。大きさと重さは本文で扱います。
CPUの8.0は32コアのXeon Gold 6430によるもの。PassMarkは53,587で、デスクトップPC向けCPU272件の中央値(21,753)の2.6倍を超えます。これはCPU1基あたりの数値で、この機種は2基積みます。PassMarkには2基での計測値(83,183)も別に載っています。
グラフィックスの7.4はRTX 4000 Ada 世代(23,634)によるもの。ビデオRAMは20GBです。
メモリの10.0は128GB(32GB×4)によるもの。ECC対応のDDR5-4800 RDIMMで、16スロットのうち12が空いています。上限は2TBです。
ストレージの8.5は1TBによるもの。M.2のPCIe NVMe SSDで、OPAL対応です。
電源の10.0は1850W×2によるもの。当サイトの換算は1000Wで10.0なので、上限に張り付いています。
拡張性の10.0はPCI Expressの空き(x16が6本、x8が1本)、M.2の空き2つ、3.5型ベイの空き2つによるもの。こちらも上限に張り付いています。
ワークステーションのスペック目安
どのくらいのスペックが必要かは、使い方によって変わります。目安は以下のとおりです。
| CPU | メモリ | ストレージ | |
| CADの2D作図・事務作業 | Intel Xeon/Ryzen Threadripper の下位 | 32GB | 512GB以上 |
| 3D CAD・写真編集 | 12〜16コア | 64GB | 1TB以上+RTX A1000相当 |
| 映像編集・3DCGレンダリング | 24コア以上 | 128GB以上 | 1TB以上+RTX 4000 Ada相当 |
| AIの学習・大規模シミュレーション | 32コア以上/デュアルCPU | 256GB以上 | 2TB以上+GPU複数枚 |
この機種は表のいちばん下の行まで対応できます。CPUを2基積み、メモリは2TBまで、グラフィックスカードは4枚まで。AIの学習や大規模なシミュレーションが視野に入ります。
ThinkStation PX(Intel)のスペック
主なスペックは以下のとおりです。購入時に選択できる項目には「※選択可能」と記載しています。
| 項目 | 内容 |
| 筐体 | タワー型ワークステーション |
| 製品番号 | 30EU000TJP/30EU000UJP/30EU000VJP |
| OS | Windows 11 Pro for Workstations 64bit(日本語版) 稼働確認:Windows 11/10 Pro for Workstations(64bit) |
| CPU | インテル Xeon プロセッサー Gold 5416S(16コア・2.00GHz・キャッシュ30MB) インテル Xeon プロセッサー Gold 6430(32コア・2.10GHz・キャッシュ60MB) CPUスロット:2(空き0)=2基構成 |
| チップセット | インテル C741 チップセット インテル AMT16 対応 |
| メモリ | 32GB(16GB×2)/128GB(32GB×4)ECC対応 DDR5 SDRAM RDIMM ※構成により異なります 最大2TB/16スロット(空き14または12)・メモリバス4400MHz |
| ストレージ | 1TB SSD(M.2 PCIe NVMe・OPAL対応) HDD:なし/2TB(7200rpm・シリアルATA/3.5インチ) ※構成により異なります オンボードRAIDコントローラー(RAID 0/1/5/10・初期設定なし) |
| グラフィックス | NVIDIA RTX A1000(8GB)/RTX 2000 Ada 世代(16GB)/RTX 4000 Ada 世代(20GB) ※構成により異なります 最大解像度 5120×2880ドット(約10億色・60Hz)/GPUは最大4枚まで搭載可能 |
| 拡張スロット | PCI Express x16:4(空き3・Gen5 フルレングス フルハイト)+4(空き3〜4・Gen4 フルレングス フルハイト) PCI Express x8:1(空き1・Gen4 フルレングス フルハイト) オンボードM.2スロット:3(空き2) |
| 拡張ベイ | 3.5型ストレージベイ:標準3(空き2)+オプション1(空き0)/5.25型・2.5型:なし |
| セキュリティ | TPM(TCG V2.0準拠)、パワーオンパスワード、ハードディスクパスワード、スーパーバイザーパスワード、システムマネジメントパスワード シャーシイントルージョンスイッチ、シャーシカバーキー、ケーブルロックスロット(3×7mm) |
| 有線LAN | 1000BASE-T(Wake on LAN対応)オンボード+10GBASE-T(2.5G/5G対応・Wake on LAN対応)オンボード 計2系統 |
| スピーカー | 内蔵モノラルスピーカー/マイクロホンなし |
| 付属品 | フルサイズ・キーボード(109A 日本語・OADG準拠・USB)、光学ホイール・マウス(USB) |
| 本体寸法 | 約 220 × 575 × 440.4mm(幅×奥行×高さ) |
| 重量 | 約35.6kg(梱包時 約40.1kg) |
| 電源 | 1850W×2(冗長電源・チームモード)/AC 100-240V(50/60Hz) 最大消費電力 2350W |
| 使用環境 | 温度 10〜35℃/湿度 20〜80% |
| 保証 | 3年間・翌営業日オンサイト修理 |
Xeonを2基積む
この機種のいちばんの特徴はCPUソケットが2つあることです。仕様書の「CPUスロット数」は2(空き0)で、出荷時点で2基とも埋まっています。
| CPU | コア数 | スレッド数 | クロック | キャッシュ | PassMark(1基) |
| Xeon Gold 6430 | 32コア | 64スレッド | 2.10GHz | 60MB | 53,587(サンプル5件) |
| Xeon Gold 5416S | 16コア | 32スレッド | 2.00GHz | 30MB | 35,581(サンプル20件) |
Xeon Gold 6430は32コア64スレッド。これを2基なので、合計64コア128スレッドになります。レノボの製品ページも「デュアルプロセッサー対応、最高64コア/128スレッド(単体CPU)」としています。
PassMarkの数値は1基あたり53,587です。デスクトップPC向けCPU272件の中央値(21,753)の2.6倍を超えます。なおPassMarkには2基での計測値も別に載っていて、Xeon Gold 6430が83,183、Gold 5416Sが51,900です。当サイトの比較表はCPU1基あたりで統一しているので、表には1基の値を入れています。
下位のXeon Gold 5416Sは16コア32スレッドで35,581です。こちらも2基で32コア64スレッドになります。
ただしXeon Gold 6430のPassMarkはサンプルが5件と少ないので、数値は参考値として見てください。
チップセットはインテル C741。インテル AMT16に対応します。メモリバスは4400MHzです。
CPUの具体的な数値は、当サイトの比較表でご確認いただけます。
メモリは16スロットで上限2TB

メモリスロットは16、上限は2TBです。規格はECC対応のDDR5 SDRAM RDIMMで、12チャンネルです。
仕様書の構成は32GB(16GB×2)と128GB(32GB×4)。128GBの構成でも12スロット空いているので、あとから積み増せます。
注意点があります。仕様書には「CPUを2基搭載した場合、CPU1基では8スロットとなります。1CPUの場合、有効スロット数が物理スロット数の半分となります」とあります。16スロットを全部使うには2基構成が前提です。この機種は出荷時点で2基なので問題ありません。
同じThinkStationでも、AMDのThinkStation P8は8スロットで上限1TB。メモリの積み上げではこちらが倍になります。
ストレージは1TBのM.2 SSD(PCIe NVMe・OPAL対応)。オンボードM.2スロットが3つあり、2つ空いています。
3.5型ベイは標準3つ(空き2)とオプション1つ。構成によっては2TBの7200rpm HDDが載ります。オンボードRAIDコントローラーでRAID 0/1/5/10を組めます。
PCI Expressが9本、GPUは4枚まで

| グラフィックス | ビデオRAM | PassMark(G3D Mark) |
| NVIDIA RTX 4000 Ada 世代 | 20GB | 23,634 |
| NVIDIA RTX 2000 Ada 世代 | 16GB | 16,935 |
| NVIDIA RTX A1000 | 8GB | 10,726 |
拡張スロットはPCI Express x16がGen5で4本(空き3)とGen4で4本(空き3〜4)、x8がGen4で1本(空き1)。合計9本です。すべてフルレングス・フルハイトに対応します。
レノボの製品ページでは、グラフィックスカードを4枚まで搭載できるとしています。1枚で2スロット分を占めるカードが多いので、x16を8本用意しているのはそのためです。
仕様書に載っているGPUはRTX A1000(8GB)、RTX 2000 Ada 世代(16GB)、RTX 4000 Ada 世代(20GB)の3種類。製品ページではこれに加えてT400、T1000、RTX A2000〜A6000、RTX 4500/5000 Ada なども挙がっています。
最大解像度は5120×2880ドット(約10億色・60Hz)です。
電源は1850Wを2台の冗長構成(チームモード)です。片方が故障しても止まりません。最大消費電力は2350Wなので、設置する部屋の電源容量も確認が要ります。
有線LANは1000BASE-Tと10GBASE-Tの2系統。10GBASE-Tは2.5G/5Gにも対応します。
約35.6kgという大きさ

本体寸法は約220×575×440.4mm、重量は約35.6kg。梱包時は約40.1kgになります。
当サイトの「設置性」の換算(5kg=10.0/8kg=7.0/10kg=5.0)に当てはめると0.0です。チャートの軸から外したのはそのためです。
同じThinkStationのP8(約22.7kg)より13kg近く重く、ThinkCentre X Tower(約17.0kg)の2倍以上です。ひとりで持ち上げる機械ではありません。
逆に言えば、この体積があるからCPUを2基、PCI Expressを9本、3.5型ベイを4つ、1850Wの電源を2台収められています。
前面にUSBはありません。前面にあるのはマイク/ヘッドホンのコンボジャックだけで、USBは背面に7つ(Type-A 6つ、Type-C 1つ)です。机の上ではなく足元や別室に置く前提の配置です。
使用環境は温度10〜35℃・湿度20〜80%。一般的なオフィス向けPCと同じ条件です。
セキュリティと保証

セキュリティはTPM(TCG V2.0準拠)に加えて、パワーオン/ハードディスク/スーパーバイザー/システムマネジメントの各パスワード。
物理的な対策としてシャーシイントルージョンスイッチ(筐体を開けた記録が残る)、シャーシカバーキー、ケーブルロックスロット(3×7mm)があります。共用スペースに置く機械としては妥当な装備です。
インテル AMT16に対応するので、IT部門が遠隔で電源操作やBIOS設定までできます。
保証は3年間で、国内は翌営業日オンサイト修理です。
初期導入OSはWindows 11 Pro for Workstations 64bit。稼働確認OSにはWindows 10 Pro for Workstationsも入っています。レノボの製品ページではUbuntu Linuxにも触れています。
付属品はフルサイズ・キーボード(109A 日本語・OADG準拠・USB)と光学ホイール・マウスです。
ThinkStationの3機種で比べる

当サイトで扱ったThinkStationと並べると、以下のようになります。
| 項目 | ThinkStation PX(本機) | ThinkStation P8(AMD) | ThinkStation PGX |
| CPU | Xeon Gold 5416S/6430(2基) | Ryzen Threadripper PRO 7945WX/7955WX/7965WX(1基) | NVIDIA GB10(20コアArm) |
| 最大コア数 | 64コア/128スレッド(2基合計) | 96コア/192スレッド | 20コア |
| メモリ上限 | 2TB(16スロット) | 1TB(8スロット) | 128GB(ユニファイド・増設不可) |
| GPU搭載可能数 | 4枚 | 4枚 | なし(SoC内蔵) |
| PCI Express x16 | 4(Gen5)+4(Gen4) | 4(Gen5) | なし |
| 3.5型ベイ | 標準3+オプション1 | 標準2+オプション1 | なし |
| 電源 | 1850W×2(冗長) | 1000W | ACアダプター 240W |
| 本体寸法 | 220×575×440.4mm | 175×508×440.4mm | 150×150×50.5mm |
| 重量 | 約35.6kg | 約22.7kg | 約1.2kg |
| 保証 | 3年間 | 3年間 | 1年間または3年間 |
こちらが上なのはメモリ上限(2TB)、PCI Expressの本数(9本)、3.5型ベイの数、そして電源の冗長構成です。CPUを2基積めるのもこの機種だけです。
ThinkStation P8(AMD)はCPUが1基ですが、Threadripper PRO 7965WXは1基で24コア、上位の構成では96コアまで伸びます。約22.7kgと13kg軽く、電源も1000Wの1台です。1基で足りるならこちらのほうが扱いやすくなります。
ThinkStation PGXはまったく性格が違います。NVIDIAのGB10を積む約1.2kgの箱で、AI推論に振った製品です。拡張はできませんが、デスクに置けます。
「コア数とメモリを積み上げたい。置き場所と電源は用意できる」という条件なら、この機種が合います。
レビューは以上です。
詳細について気になる方はレノボ公式サイトからご確認お願いします。
まとめ

ThinkStation PX(Intel)のレビューをしました。
この機種の特徴は大きく分けて3つです。
- Xeonを2基。最大64コア/128スレッド
- メモリ16スロットで上限2TB、PCI Expressは9本
- 1850W×2の冗長電源。ただし約35.6kg
ThinkStationのいちばん上にあたるタワーです。Xeonを2基積み、メモリは16スロットで上限2TB、PCI Expressは9本、グラフィックスカードは4枚まで。電源は1850Wの冗長構成で、保証は3年間です。
弱いのは大きさと置き場所です。約35.6kg・高さ440.4mmで、最大消費電力は2350W。設置場所と電源容量を先に決めてから選ぶ機械になります。
CPUが1基で足りるなら、ThinkStation P8(AMD・Threadripper PRO・約22.7kg・1000W)のほうが扱いやすくなります。
今回の記事が少しでもデスクトップPC選びの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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