こんにちはマサです。
今回はThinkEdge SE50・エッジ向け小型PCのレビューをしていきます。
結論からお伝えすると、
有線LANが6系統あるエッジ端末です。当サイトで扱ったThinkEdgeのなかで突出した数で、ネットワーク機器としての性格が強い機種です。
電源ユニットを内蔵しません。DC 10〜60Vの外部給電で動きます。車載や設備の電源に直接つなげる形です。
シリアルポートも2つ。2.5型ベイが1つ空いていて、ストレージを足せます。
保証は3年間。ThinkEdgeのなかでは長いほうです。
ThinkEdge SE50の評価

※評価はmasalog運営者の主観です
各項目は1.0〜5.0で評価しています。
| 点数 | 意味 |
| 5.0 | このクラスで最高水準 |
| 4.0 | 十分に満足できる |
| 3.0 | 標準的。価格なりで不足はない |
| 2.0 | 用途によっては足りない |
| 1.0 | おすすめしない |
5項目の内容は以下のとおりです。
| 項目 | 見ているもの |
| 処理性能 | CPU・メモリ・ストレージ。事務作業や制作の快適さ |
| コスパ | 絶対的な価格の安さではなく、同じ性能帯の相場と比べて価格が妥当かどうか |
| 拡張性・端子 | 端子の種類と数、メモリやSSDの増設可否 |
| 設置性 | 本体のサイズと重量、置き場所の自由度 |
| デザイン・質感 | 外観、筐体の素材、仕上げ |
総合点は5項目の平均ではなく、「この製品を人に薦められるか」という視点で別途付けています。
向いている人
- ネットワークを細かく分けたい方(有線LANが6系統あります)
- 設備の電源から直接とりたい方(DC 10〜60Vの外部給電です)
- ストレージを足したい方(2.5型ベイが1つ空いています)
- 長く使いたい方(保証が3年間です)
向かない人
- CPUの性能が要る方(Core i7-8665UEはPassMark 5,017です)
- ACアダプターで手軽に使いたい方(電源ユニットを内蔵しません)
- 軽い端末が欲しい方(約3.21kgあります)
- 最新のWindowsで使いたい方(Windows 10 IoT Enterprise LTSCで出荷されます)
ThinkEdge SE50のスペック評価
各パーツの性能をレーダーチャートにしました。評価の付け方は下のトグルからご確認いただけます。
各項目は10点満点です。主観で付けるのではなく、当サイトのベンチマーク比較表の数値をもとに算出しています。
| 項目 | 基準にしている数値 | 換算のしかた |
| CPU | PassMark(CPU Mark) | ノートPC向けCPU440件の最高値で10.0、中央値で5.0 |
| メモリ | 容量 | 8GB=6.0/16GB=7.5/32GB=9.0/64GB=10.0 |
| ストレージ | 容量と規格 | 256GB=5.0/512GB=7.0/1TB=8.5/2TB=10.0 |
| 拡張性 | 空きスロットと空きベイの数 | 空きなし=5.0を基準に、メモリスロット空き+1.5/M.2空き1つにつき+1.0/PCIeスロット空き1つにつき+1.5/3.5型ベイ空き+1.0 |
| 映像出力 | 同時に出せる画面数 | 1画面=4.0/2画面=6.0/3画面=8.0/4画面=10.0 |
| 設置性 | 本体の重量 | 5kg=10.0/8kg=7.0/10kg=5.0 |
CPUとグラフィックスは、以下の比較表の数値をそのまま使っています。
仕様書に載っている上位構成(製品番号 11RH00D2JP)で評価したものです。このチャートには「ディスプレイ」「画面サイズ」「バッテリー」の軸がありません。画面の付かないエッジ端末だからです。グラフィックスの軸も外しています。CPU内蔵グラフィックスは比較表に載っていないためです。CPUはモバイル/組み込み向けを積むため、母数はノートPC向け(437件)で見ています。
CPUの1.3は4コアのCore i7-8665UEによるもの。PassMarkは5,017で、ノートPC向けCPU440件の中央値(14,544)を大きく下回ります。当サイトのCPUの換算は一般向けのノートPCとデスクトップPCを基準に作っているため、低消費電力に振った組み込み向けのCPUはどうしても低く出ます。この数値はそのまま弱点とは読めません。
なお下位構成のCore i5-8365UEは5,492で、i7より高い数値です。PassMark上でそうなっています(サンプルはi5が26件、i7が20件)。
メモリの9.0は32GB(16GB×2)によるもの。DDR4 SODIMMで、2スロットとも埋まっています。上限も32GBです。
ストレージの7.0は512GBによるもの。M.2のPCIe NVMe SSDで、OPAL2.0に対応します。
拡張性の6.0は2.5型ベイが1つ空いていることによるもの。M.2は2230と2280が1つずつで、どちらも埋まっています。
映像出力の6.0はHDMIとDisplayPortの2系統によるものです。
設置性の10.0は約3.21kgによるもの。当サイトの換算(5kg=10.0)の上限に張り付きます。
エッジ端末のスペック目安
どのくらいのスペックが必要かは、使い方によって変わります。目安は以下のとおりです。
| CPU | メモリ | ストレージ | |
| 表示とデータ送信が中心(サイネージ・ゲートウェイ) | Intel Atom/Celeron 相当 | 8GB〜16GB | 256GB以上 |
| POSや受付など、業務アプリを動かす | Intel Core i5/Core 5 相当 | 16GB | 256GB以上 |
| 複数のカメラ映像やセンサーをまとめる | Intel Core i7/Core 7 相当 | 32GB | 512GB以上 |
| エッジでAI推論まで走らせる | GPU/NPU搭載のSoC | 32GB以上 | 512GB以上 |
この機種は表のいちばん上の行が目安です。ネットワークの中継や設備のデータ収集が中心の端末で、制作や3Dには向きません。
ThinkEdge SE50のスペック
主なスペックは以下のとおりです。購入時に選択できる項目には「※選択可能」と記載しています。
| 項目 | 内容 |
| 筐体 | 小型エッジデバイス |
| 製品番号 | 11RH00D3JP(i5・16GB・256GB)/11RH00D2JP(i7・32GB・512GB) |
| OS | Windows 10 IoT Enterprise LTSC 64bit(日本語版) 稼働確認:Windows 10 IoT Enterprise LTSC(64bit)、Ubuntu Core 20.04、Ubuntu Server 20.04 |
| CPU | インテル Core i5-8365UE プロセッサー(4コア・1.60GHz・キャッシュ6MB) インテル Core i7-8665UE プロセッサー(4コア・1.70GHz・キャッシュ8MB) |
| チップセット | CPUに統合 インテルAMT・vPro:非対応 |
| メモリ | 16GB(16GB×1)/32GB(16GB×2)PC4-19200 DDR4 SDRAM SODIMM ※構成により異なります 最大32GB/2スロット(空き1または0) |
| ストレージ | 256GB/512GB SSD(PCIe NVMe/M.2・OPAL2.0対応) ※構成により異なります |
| グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 620(CPU内蔵)/ビデオRAM 最大約8〜16GB(メインメモリと共有) HDMI 4096×2160ドット/DisplayPort 4096×2304ドット(アナログ出力なし) |
| 拡張スロット | M.2 2230:1(空き0)/M.2 2280:1(空き0) 拡張ベイ:2.5型 1(空き1) |
| セキュリティ | TPM(TCG V2.0準拠)、パワーオンパスワード、ハードディスクパスワード、スーパーバイザーパスワード |
| 無線 | インテル Wireless-AC 9560(a/b/g/n/ac)/Bluetooth v5.1 |
| 有線LAN | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T(Wake on LAN対応) オンボード×1+PCIeカード×1 計6系統 |
| オーディオ | Realtek HD Audio(オンボード)/スピーカー・マイクロホンなし |
| 付属品 | フルサイズ スリム キーボード(109A 日本語・OADG準拠・USB)、光学ホイール・マウス(USB)、AC to DC 変換ケーブル、無線LAN用アンテナ×2 |
| 本体寸法 | 約 179 × 182.9 × 70mm(幅×奥行×高さ) |
| 重量 | 約3.21kg(最大構成時・梱包時 約4.7kg) |
| 電源 | 電源ユニットなし(外部給電システムが必要)/DC in 10〜60V 最大消費電力 53.1W |
| 使用環境 | 温度 0〜50℃/湿度 20〜80%(結露なきこと) 保存環境:温度 -40〜60℃/湿度 20〜90% |
| 保証 | 3年間 |
有線LANが6系統

端子の構成は以下のとおりです。
| 端子 | 数 | 位置 |
| USB-A(USB 3.2 Gen1) | 1 | 前面 |
| USB-A(USB 3.2 Gen1) | 1 | 背面 |
| USB 2.0(Type-A) | 2 | 背面 |
| シリアルポート | 2 | — |
| 有線LAN(RJ-45) | 6 | — |
| DisplayPort | 1 | — |
| HDMI | 1 | — |
| マイク入力 | 1 | 前面 |
| マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック | 1 | 前面 |
| DC in 電源コネクタ(DC 10〜60V) | 1 | 前面 |
有線LANが6系統あります。仕様書では「オンボード×1」と「PCIeカード×1」という書き方ですが、イーサネット・コネクター(RJ-45)の欄は6です。
当サイトで扱ったThinkEdgeはどれも2系統までなので、ここは突出しています。ネットワークを用途ごとに物理的に分ける、複数の拠点や機器をこの1台で束ねる、といった使い方ができます。小型のルーターやゲートウェイに近い役割です。
シリアルポートも2つあります。産業用の計測器やPLCに直接つなげます。
USBは前面に1つ(USB 3.2 Gen1)、背面に3つ(Gen1が1つ、USB 2.0が2つ)。数は多くありません。この機種の主役はUSBではなくLANです。
映像はHDMI(4096×2160ドット)とDisplayPort(4096×2304ドット)の2系統。設定や保守のときにモニターをつなぐ想定です。
無線はインテル Wireless-AC 9560(Wi-Fi 5)とBluetooth 5.1です。
電源ユニットを内蔵しない

仕様書の電源ユニットの欄は「なし(外部給電システムが必要)」です。前面にDC in の電源コネクタがあり、DC 10〜60Vを受けます。
付属品には「AC to DC 変換ケーブル」が入っているので、普通のコンセントでも使えます。ただし本体にACアダプターの口があるわけではありません。
この構成が効くのは、すでに直流の電源がある場所です。車両、産業機械の制御盤、太陽光パネルのある設備など。10〜60Vという幅があるので、電圧の違う環境でもそのまま入ります。
最大消費電力は53.1W。当サイトで扱ったThinkEdgeのなかでは低いほうです。
本体寸法は約179×182.9×70mm、重量は約3.21kg。ThinkEdge SE30(約1kg)やSE10(約1.5kg)より重く、奥行きもあります。LANポートを6つ並べるための体積です。
使用温度は0〜50℃、湿度は20〜80%。保存環境は-40〜60℃です。ファンはありません。
CPUは第8世代のUEシリーズ
CPUは2種類です。
| CPU | コア数 | クロック | キャッシュ | PassMark |
| Core i5-8365UE | 4コア | 1.60GHz | 6MB | 5,492(サンプル26件) |
| Core i7-8665UE | 4コア | 1.70GHz | 8MB | 5,017(サンプル20件) |
Core i7-8665UEは4コアで1.70GHz、キャッシュ8MB。PassMarkは5,017で、ノートPC向けCPU440件の中央値(14,544)を大きく下回ります。第8世代の組み込み向け(UEシリーズ)なので、いまのPCと比べると世代が古くなっています。
気をつけたいのは、下位のCore i5-8365UEのほうがPassMarkでは5,492と高いことです。クロックはi7が1.70GHz、i5が1.60GHzでi7のほうが上ですが、計測値は逆転しています。サンプル数はi5が26件、i7が20件。どちらも大差ない範囲と見るのが妥当です。
キャッシュはi7が8MB、i5が6MB。価格差ほどの性能差はない、というのが数値からの読み方になります。
当サイトのCPUの換算は一般向けのPCを基準にしているため、この数値はそのまま弱点とは読めません。ネットワークの中継やデータの収集が中心の端末なので、CPUに求められるものが違います。
vProとインテルAMTには非対応です。
CPUの具体的な数値は、当サイトの比較表でご確認いただけます。
メモリとストレージ

メモリは2スロットで上限32GB。規格はPC4-19200のDDR4 SODIMMです。仕様書の構成は16GB(1枚)と32GB(16GB×2)で、16GBの構成なら1スロット空いています。
同じThinkEdgeでも、SE30はオンボードで上限16GB。あとから増やせる点はこの機種の利点です。
ストレージは256GBまたは512GBのM.2 SSD(PCIe NVMe・OPAL2.0対応)。M.2は2230と2280が1つずつで、どちらも埋まっています。
ただし2.5型ベイが1つ空いています。SATAのSSDやHDDを足せるので、ログを長期間ためる用途にも対応できます。当サイトで扱ったThinkEdgeで拡張ベイを持つのはこの機種だけです。
TPMはTCG V2.0準拠のチップを積みます。
キーボードとマウスが付属するのも、ThinkEdgeでは珍しい点です(SE70とSE10には付きません)。
OSはWindows 10 IoT Enterprise LTSC

初期導入OSはWindows 10 IoT Enterprise LTSC 64bit(日本語版)です。Windows 11ではありません。
LTSCは機能更新が長期間入らない版なので、同じ構成のまま何年も動かす用途に向きます。ただしWindows 10ベースなので、導入前にサポート期間の確認が要ります。
稼働確認OSにはUbuntu Core 20.04とUbuntu Server 20.04も入っています。Linuxで組む場合もメーカーが確認済みです。
同じThinkEdgeでも、SE10はWindows 11 IoT Enterprise LTSC、SE30はWindows 10 IoT Enterprise LTSCです。
保証は3年間。SE30とSE10が1年間、SE70も1年間なので、ThinkEdgeのなかではこの機種がいちばん長くなります。
セキュリティはTPMのほか、パワーオン/ハードディスク/スーパーバイザーの各パスワードです。
ThinkEdgeの3機種で比べる

当サイトで扱ったThinkEdgeと並べると、以下のようになります。
| 項目 | ThinkEdge SE50(本機) | ThinkEdge SE30 | ThinkEdge SE10 |
| CPU(上位) | Core i7-8665UE(5,017) | Core i5-1145G7E(8,892) | Atom x6425RE(2,817) |
| メモリ | 2スロット・上限32GB | オンボード・上限16GB | 2スロット・上限32GB |
| 有線LAN | 6系統 | 2系統 | 2系統(2.5GBASE-T) |
| シリアルポート | 2 | 2 | 2(RS-232/422/485) |
| 拡張ベイ | 2.5型 1(空き1) | なし | なし |
| 電源 | 外部給電(DC 10〜60V) | ACアダプター 65W | ACアダプター 65W |
| 重量 | 約3.21kg | 約1kg | 約1.5kg |
| 保証 | 3年間 | 1年間 | 1年間 |
こちらが上なのは有線LANの数(6系統)、拡張ベイ(2.5型が1つ空き)、そして保証(3年間)です。外部給電で動く点も、設置場所によっては利点になります。
ThinkEdge SE30が上なのはCPU(Core i5-1145G7E・8,892)と軽さ(約1kg)、そしてThunderbolt 4の有無です。処理性能が要るならあちらになります。
ThinkEdge SE10は有線LANが2.5GBASE-T対応で、シリアルもRS-232/422/485に対応します。ただしCPUはAtomなので、処理性能はこの3機種でいちばん下です。
「ネットワークを束ねたい。CPUは中継ができれば十分」という条件なら、この機種が合います。
レビューは以上です。
詳細について気になる方はレノボ公式サイトからご確認お願いします。
まとめ

ThinkEdge SE50のレビューをしました。
この機種の特徴は大きく分けて3つです。
- 有線LANが6系統。ThinkEdgeで突出した数
- 電源ユニットなし。DC 10〜60Vの外部給電で動く
- 2.5型ベイが1つ空き。保証は3年間
ネットワークを束ねるためのエッジ端末です。有線LANが6系統あり、シリアルポートも2つ。電源はDC 10〜60Vの外部給電で、設備の直流電源から直接とれます。2.5型ベイも1つ空いていて、保証は3年間です。
弱いのはCPUと世代です。Core i7-8665UEのPassMarkは5,017で、OSもWindows 10 IoT Enterprise LTSC。約3.21kgと重さもあります。
処理性能が要るなら、同じThinkEdgeのSE30(Core i5-1145G7E・8,892・約1kg)のほうが合います。
今回の記事が少しでもエッジ端末選びの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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