こんにちはマサです。
今回はThinkCentre M90q Tiny Gen 6(Intel)・ビジネス向け超小型デスクトップPCのレビューをしていきます。
結論からお伝えすると、
ThinkCentreのTinyシリーズで、いちばん上に位置する機種です。約1.34kgの筐体にCore Ultra 9 285まで積めます。
M.2 2280スロットが3つあり、PCI Express x8スロットも1つあります。同じTinyのM70q Tiny Gen 6(M.2 2280が2つ・PCIeなし)より拡張口が多い構成です。
vProとインテルAMTに対応し、保証は3年間・翌営業日オンサイト修理です。
ただし無線LANとBluetoothは標準では載りません。カスタマイズで足す形になります。
ThinkCentre M90q Tiny Gen 6(Intel)の評価

※評価はmasalog運営者の主観です
各項目は1.0〜5.0で評価しています。
| 点数 | 意味 |
| 5.0 | このクラスで最高水準 |
| 4.0 | 十分に満足できる |
| 3.0 | 標準的。価格なりで不足はない |
| 2.0 | 用途によっては足りない |
| 1.0 | おすすめしない |
5項目の内容は以下のとおりです。
| 項目 | 見ているもの |
| 処理性能 | CPU・メモリ・ストレージ。事務作業や制作の快適さ |
| コスパ | 絶対的な価格の安さではなく、同じ性能帯の相場と比べて価格が妥当かどうか |
| 拡張性・端子 | 端子の種類と数、メモリやSSDの増設可否 |
| 設置性 | 本体のサイズと重量、置き場所の自由度 |
| デザイン・質感 | 外観、筐体の素材、仕上げ |
総合点は5項目の平均ではなく、「この製品を人に薦められるか」という視点で別途付けています。
向いている人
- 小さい筐体で処理性能を取りたい方(Core Ultra 9 285まで選べます)
- SSDを複数積みたい方(M.2 2280が3スロットあります)
- 業務で使う方(vPro・AMT対応、3年間の翌営業日オンサイト修理)
- 外部モニターを3台つなぎたい方(VGA+DisplayPort+HDMI)
向かない人
- 無線LANを標準で使いたい方(カスタマイズで足す必要があります)
- グラフィックボードを足したい方(PCIe x8はカスタマイズ時のみで、出荷後は増設できません)
- できるだけ安く済ませたい方(ビジネス向けの価格帯です)
- カメラやマイクが要る方(内蔵していません)
ThinkCentre M90q Tiny Gen 6(Intel)のスペック評価
各パーツの性能をレーダーチャートにしました。評価の付け方は下のトグルからご確認いただけます。
各項目は10点満点です。主観で付けるのではなく、当サイトのベンチマーク比較表の数値をもとに算出しています。
| 項目 | 基準にしている数値 | 換算のしかた |
| CPU | PassMark(CPU Mark) | デスクトップPC向けCPU247件の最高値で10.0、中央値で5.0 |
| メモリ | 容量 | 8GB=5.0/16GB=7.0/32GB=9.0/64GB=10.0 |
| ストレージ | 容量と規格 | 256GB=5.0/512GB=7.0/1TB=8.5/2TB=10.0 |
| 拡張性 | 空きスロットと空きベイの数 | 空きなし=5.0を基準に、メモリスロット空き+1.5/M.2空き1つにつき+1.0/PCIeスロット空き1つにつき+1.5/3.5型ベイ空き+1.0 |
| 映像出力 | 同時に出せる画面数 | 1画面=4.0/2画面=6.0/3画面=8.0/4画面=10.0 |
| 設置性 | 本体の重量 | 5kg=10.0/8kg=7.0/10kg=5.0 |
CPUとグラフィックスは、以下の比較表の数値をそのまま使っています。
仕様書に載っている3構成のうち、いちばん上の構成(Core Ultra 9 285+32GB+1TB)で評価したものです。このチャートには「ディスプレイ」と「バッテリー」の軸がありません。画面の付かないデスクトップだからです。グラフィックスの軸も外しています。CPU内蔵グラフィックスは比較表に載っていないため、換算すると0.0になってしまい、実態を表さないからです。
電源の軸も外しました。構成により90W/135W/230WのACアダプターに変わるうえ、当サイトの換算表(ゲーミングデスクトップ基準)では実態を表さないためです。代わりに「映像出力」を入れています。ビジネス向けの機種なので、評価軸も仕事で効くところに寄せています。
CPUの9.1は24コアのCore Ultra 9 285によるもの。PassMarkは57,724で、デスクトップPC向けCPU247件の中央値(19,715)の3倍近くあります。
メモリの9.0は32GB(32GB×1)によるもの。DDR5 SODIMMで、2スロットのうち1つが空いています。上限は64GBです。
ストレージの8.5は1TBによるもの。M.2 2280スロットが3つあり、2つ空いています。
拡張性の10.0はメモリスロット空き1(+1.5)、M.2 2230空き1(+1.0)、M.2 2280空き2(+2.0)、PCI Express x8空き1(+1.5)によるもの。換算では11.0になりますが、上限の10.0で止めています。
映像出力の8.0はVGA・DisplayPort・HDMIの3系統によるもの。設置性の10.0は約1.34kg(最大構成時)によるものです。
デスクトップPCのスペック目安
どのくらいのスペックが必要かは、使い方によって変わります。目安は以下のとおりです。
| CPU | メモリ | ストレージ | |
| Web・動画視聴・文書作成が中心 | Intel Core 5/Core Ultra 5 AMD Ryzen 5 | 16GB | 512GB以上 |
| 表計算や資料作成が多い | Intel Core Ultra 5〜7 AMD Ryzen 7 | 16GB〜32GB | 512GB以上 |
| 写真編集・軽い動画編集をする | Intel Core Ultra 7 AMD Ryzen 7 | 32GB | 1TB以上 |
| 3Dやゲームもする | Intel Core Ultra 7以上 | 32GB以上 | 1TB以上+独立GPU |
この機種は表の上から3行目まで対応できます。4行目は独立GPUが前提になりますが、PCI Express x8スロットはカスタマイズ時のみ使える仕様で、出荷後の増設はできません。
ThinkCentre M90q Tiny Gen 6(Intel)のスペック
主なスペックは以下のとおりです。購入時に選択できる項目には「※選択可能」と記載しています。
| 項目 | 内容 |
| 筐体 | Tiny |
| OS | Windows 11 Pro 64bit(日本語版) 稼働確認:Windows 11 Home/Pro、Windows 11 IoT Enterprise LTSC、Ubuntu LTS |
| CPU | インテル Core Ultra 9 プロセッサー 285(24コア・2.50GHz) インテル Core Ultra 7 プロセッサー 265T(20コア・1.50GHz) インテル Core Ultra 5 プロセッサー 235T(14コア・2.20GHz) NPU 最大13TOPS(インテル AI Boost) |
| チップセット | インテル Q870 チップセット インテルAMT 対応/vPro 対応(Core Ultra 5 235T以上) |
| メモリ | 16GB(16GB×1)/32GB(32GB×1)DDR5 SDRAM SODIMM ※構成により異なります 最大64GB/2スロット(空き1) |
| ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD(PCIe NVMe/M.2・OPAL2.0対応) ※構成により異なります |
| グラフィックス | CPU内蔵(インテル グラフィックス) DisplayPort/HDMI 4096×2160ドット/VGA 1920×1080ドット |
| 拡張スロット | PCI Express x8:1(空き1)ハーフレングス・ロープロファイル Gen4.0 ※カスタマイズ時のみ搭載可能。出荷後の増設はできません M.2 2230:1(空き1)/M.2 2280:3(空き2) |
| セキュリティ | TPM(TCG V2.0準拠)、パワーオンパスワード、ハードディスクパスワード、アドミニストレーターパスワード、ケーブルロックスロット |
| 無線 | WLAN なし/Bluetooth なし ※カスタマイズによる選択 |
| 有線LAN | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T(Wake on LAN対応) |
| オーディオ | HD Audio(オンボード)/モノラルスピーカー内蔵 内蔵カメラ・マイクロホンはありません |
| 付属品 | フルサイズ キーボード(109A 日本語・OADG準拠・USB)、光学ホイール・マウス(USB) フロアスタンド、ACアダプター、電源コード |
| 本体寸法 | 約 36.5 × 182.9 × 179mm(幅×奥行×高さ) |
| 重量 | 約1.34kg(最大構成時) |
| 電源 | ACアダプター 90W/135W/230W ※構成により異なります |
| 保証 | 3年間・翌営業日オンサイト修理 |
処理性能

CPUはCore Ultra シリーズ2から3種類です。仕様書に載っている構成は以下のとおりです。
| 製品番号 | CPU | コア数 | PassMark | メモリ | ストレージ | ACアダプター |
| 13ADS00C00 | Core Ultra 5 235T | 14コア | 30,818 | 16GB | 256GB | 90W |
| 13ADS00E00 | Core Ultra 7 265T | 20コア | 37,065 | 16GB | 512GB | 135W |
| 13ADS00D00 | Core Ultra 9 285 | 24コア | 57,724 | 32GB | 1TB | 230W |
最上位のCore Ultra 9 285はPassMark 57,724。デスクトップPC向けCPU247件の中央値(19,715)の3倍近くあります。24コアという構成なので、書き出しやビルドのように並列で効く処理に強くなります。
これを約1.34kg・1Lクラスの筐体に収めている点が、この機種のいちばんの特徴です。
Core Ultra 7 265Tは37,065、Core Ultra 5 235Tは30,818です。どちらも中央値を大きく上回ります。
NPUは最大13TOPS(インテル AI Boost)です。Copilot+ PCの条件(40TOPS以上)には届きません。レノボの製品ページには「Kinara Ara-2 NPU(最大30TOPS)」をカスタマイズで追加できる旨も書かれていますが、後日提供予定とされています(仕様書には記載がありません)。
vProとインテルAMTはCore Ultra 5 235T以上で対応します。3構成すべてが該当します。
CPUの具体的な数値は、当サイトの比較表でご確認いただけます。
拡張性

スロットの構成は以下のとおりです。
| スロット | 数 | 空き |
| M.2 2280(SSD用) | 3 | 2 |
| M.2 2230(WLAN用) | 1 | 1 |
| メモリスロット(DDR5 SODIMM) | 2 | 1 |
| PCI Express x8(ロープロファイル) | 1 | 1 |
| 拡張ベイ | 0 | — |
M.2 2280スロットが3つあります。うち2つが空いているので、SSDを2枚増設できます。同じTinyのM70q Tiny Gen 6とM75q Tiny Gen 5は、どちらも2スロットです。OPAL2.0対応のSSDなので、暗号化も使えます。
メモリスロットも1つ空いていて、上限は64GBです。32GB×1で出荷される構成なら、同容量を1枚足して64GBにできます。
PCI Express x8スロットも1つありますが、注意が必要です。仕様書には「カスタマイズ時のみPCI Expressカードを搭載可能。PCI Expressカード無しの構成で出荷された後、お客様自らPCI Expressカードを増設することはできません」「市販のPCI Expressカードをご利用いただけません」と明記されています。
つまり、あとからグラフィックボードを足す使い方はできません。必要なら注文時に選ぶ形です。
拡張ベイはありません。HDDの内蔵はできないので、容量はM.2で確保することになります。
入出力端子

端子の構成は以下のとおりです。
| 端子 | 数 | 位置 |
| USB-A(USB 3.2 Gen2) | 2 | 前面 |
| USB Type-C(USB 3.2 Gen2×2・最大4.5W給電) | 1 | 前面 |
| USB-A(USB 3.2 Gen2) | 3 | 背面 |
| USB-A(USB 3.2 Gen1) | 1 | 背面 |
| DisplayPort | 1 | 背面 |
| HDMI | 1 | 背面 |
| VGA | 1 | 背面 |
| 有線LAN(RJ-45) | 1 | 背面 |
| マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック | 1 | 前面 |
| セキュリティスロット | 1 | — |
映像出力はDisplayPort・HDMI・VGAの3系統です。外部モニターを3台つなげます。DisplayPortとHDMIは4096×2160ドットまで、VGAは1920×1080ドットまでです。
VGAが残っているので、古いモニターやプロジェクターが残っている職場でもそのまま使えます。
USB-Aは前面2つ・背面4つの計6つです。前面のType-CはUSB 3.2 Gen2×2で、最大4.5Wの給電にも対応します。
仕様書には、オプショナルポートを2つ追加できることも書かれています。1つ目はシリアルポート/VGA/DisplayPort/HDMI/RJ-45/USB Type-Cから、2つ目はシリアルポート/VGA/DisplayPort/HDMI/RJ-45/Thunderbolt 4から選べます。業務用の機器につなぐ必要があるなら、ここで埋められます。
セキュリティスロット(ケーブルロック用)もあります。
無線とオーディオ

WLANとBluetoothは標準では載りません。仕様書の「WLAN」「Bluetooth」の欄はどちらも「なし」です。製品ページでは「搭載可能(カスタマイズによる選択)」とされているので、必要ならカスタマイズで足す形になります。
M.2 2230(WiFi用)スロットが1つ空いているのは、そのためです。
有線LANは1000BASE-Tで、Wake on LANに対応します。業務用として有線でつなぐ前提なら問題ありません。
オーディオはHD Audioで、モノラルスピーカーを内蔵します。通知音を鳴らす程度のものと考えるのが現実的です。
内蔵カメラとマイクロホンはありません。Web会議をするなら、外付けのWebカメラかヘッドセットが要ります。
セキュリティ面では、TPM(TCG V2.0準拠)、パワーオンパスワード、ハードディスクパスワード、アドミニストレーターパスワードを備えます。
設置と保証

本体寸法は約 36.5 × 182.9 × 179mm(幅×奥行×高さ)、重量は約1.34kg(最大構成時)です。
厚さ3.6cmなので、モニターの足元にも机の下にも収まります。フロアスタンドが付属するので、縦置きにもできます。
ACアダプターは構成によって90W/135W/230Wに変わります。Core Ultra 9 285の構成は230Wで、アダプター本体だけで約758gあります。小さい本体のわりに、アダプターは存在感があります。
キーボードとマウスは付属します。フルサイズのキーボード(109A 日本語・OADG準拠・USB)と光学ホイール・マウスです。
保証は3年間で、国内は翌営業日オンサイト修理です。ThinkCentreのTinyでも、M70qやM75qは1年間なので、ここは上位機種らしい差です。
保守活動の終了予定日は2032年7月31日とされています。
どんな人に向くか

この機種は「置き場所を取らずに、処理性能と拡張口を両方取りたい」という業務用途に向きます。
Core Ultra 9 285(57,724)を1.34kgの筐体で使えること、M.2 2280が3スロットあること、保証が3年間であること。当サイトで扱ったThinkCentreのTinyでは、この3点がそろうのはこの機種だけです。
逆に、個人で1台だけ買うには重い装備です。vProもAMTも3年オンサイト修理も、台数を管理する前提の機能です。
無線が標準で載らない点も、有線の職場を前提にした設計です。家庭で使うなら、カスタマイズでの追加が要ります。
性能をそこまで求めないなら、同じTinyのThinkCentre M70q Tiny Gen 6のほうが構成を絞れます。
レビューは以上です。
詳細について気になる方はレノボ公式サイトからご確認お願いします。
まとめ

ThinkCentre M90q Tiny Gen 6(Intel)のレビューをしました。
この機種の特徴は大きく分けて3つです。
- Core Ultra 9 285(PassMark 57,724)を約1.34kgの筐体に積める
- M.2 2280が3スロット(空き2)。メモリも64GBまで
- 無線LANとBluetoothは標準では非搭載。保証は3年オンサイト
置き場所を取らずに処理性能と拡張口を確保したい業務用途に向いた機種です。Core Ultra 9 285まで積めて、M.2 2280が3スロット、保証は3年間の翌営業日オンサイト修理です。
弱いのは無線とPCI Expressの扱いです。WLANとBluetoothは標準では載らず、PCI Express x8スロットはカスタマイズ時しか使えません。
ここまでの性能が要らないなら、同じTinyのThinkCentre M70q Tiny Gen 6という選択肢があります。
今回の記事が少しでもデスクトップPC選びの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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