こんにちはマサです。
今回はThinkEdge SE10 / SE10-I・エッジ向け小型PCのレビューをしていきます。
結論からお伝えすると、
インテルのAtomを積むエントリー向けのエッジ端末です。SE10とSE10-Iの2つの筐体があり、中身は共通です。
シリアルポートがRS-232/422/485の3規格に対応します。SE10は2つ、SE10-Iは4つです。
保存温度は-40〜85℃。SE10-Iは動作温度も-20〜60℃まで広がり、DC 9〜36Vの外部給電で動きます。
上位構成にはLTEのWWAN(nanoSIM)が標準で載ります。
ThinkEdge SE10 / SE10-Iの評価

※評価はmasalog運営者の主観です
各項目は1.0〜5.0で評価しています。
| 点数 | 意味 |
| 5.0 | このクラスで最高水準 |
| 4.0 | 十分に満足できる |
| 3.0 | 標準的。価格なりで不足はない |
| 2.0 | 用途によっては足りない |
| 1.0 | おすすめしない |
5項目の内容は以下のとおりです。
| 項目 | 見ているもの |
| 処理性能 | CPU・メモリ・ストレージ。事務作業や制作の快適さ |
| コスパ | 絶対的な価格の安さではなく、同じ性能帯の相場と比べて価格が妥当かどうか |
| 拡張性・端子 | 端子の種類と数、メモリやSSDの増設可否 |
| 設置性 | 本体のサイズと重量、置き場所の自由度 |
| デザイン・質感 | 外観、筐体の素材、仕上げ |
総合点は5項目の平均ではなく、「この製品を人に薦められるか」という視点で別途付けています。
向いている人
- 産業用の機器につなぎたい方(シリアルがRS-232/422/485に対応します)
- 過酷な環境に置く方(SE10-Iは-20〜60℃、保存は-40〜85℃です)
- 有線が引けない場所で使いたい方(上位構成はLTEを標準で積みます)
- 設備の電源から直接とりたい方(SE10-IはDC 9〜36Vの外部給電です)
向かない人
- 処理性能が要る方(Atom x6425RE はPassMark 2,817です)
- 画面をつないで操作する方(カメラもスピーカーもなく、端末としての想定ではありません)
- Thunderboltや高速なType-Cが要る方(USB Type-Cがありません)
- 長期保証が要る方(1年間です。SE50は3年間です)
ThinkEdge SE10 / SE10-Iのスペック評価
各パーツの性能をレーダーチャートにしました。評価の付け方は下のトグルからご確認いただけます。
各項目は10点満点です。主観で付けるのではなく、当サイトのベンチマーク比較表の数値をもとに算出しています。
| 項目 | 基準にしている数値 | 換算のしかた |
| CPU | PassMark(CPU Mark) | ノートPC向けCPU440件の最高値で10.0、中央値で5.0 |
| メモリ | 容量 | 8GB=6.0/16GB=7.5/32GB=9.0/64GB=10.0 |
| ストレージ | 容量と規格 | 256GB=5.0/512GB=7.0/1TB=8.5/2TB=10.0 |
| 拡張性 | 空きスロットと空きベイの数 | 空きなし=5.0を基準に、メモリスロット空き+1.5/M.2空き1つにつき+1.0/PCIeスロット空き1つにつき+1.5/3.5型ベイ空き+1.0 |
| 映像出力 | 同時に出せる画面数 | 1画面=4.0/2画面=6.0/3画面=8.0/4画面=10.0 |
| 設置性 | 本体の重量 | 5kg=10.0/8kg=7.0/10kg=5.0 |
CPUとグラフィックスは、以下の比較表の数値をそのまま使っています。
仕様書に載っているSE10の上位構成(製品番号 12NJS0SV00)で評価したものです。このチャートには「ディスプレイ」「画面サイズ」「バッテリー」の軸がありません。画面の付かないエッジ端末だからです。グラフィックスの軸も外しています。CPU内蔵グラフィックスは比較表に載っていないためです。CPUはモバイル/組み込み向けを積むため、母数はノートPC向け(437件)で見ています。
CPUの0.0は4コアのAtom x6425REによるもの。PassMarkは2,817で、ノートPC向けCPU440件のなかでは下から数えたほうが早い位置です。当サイトのCPUの換算は一般向けのノートPCとデスクトップPCを基準に作っているため、低消費電力に振った組み込み向けのCPUはどうしても低く出ます。この数値はそのまま弱点とは読めません。この機種はセンサーの値を集めて送る役割なので、CPUに求められるものが違います。
メモリの9.0は32GB(16GB×2)によるもの。DDR4 SODIMMで、2スロットとも埋まっています。上限も32GBです。
ストレージの7.0は512GBによるもの。M.2のPCIe NVMe SSDで、OPAL2.0に対応します。
拡張性の5.0は、この構成では空きスロットが1つもないことによるもの。M.2の2280・2230・3042がいずれも埋まっています。下位構成(8GB・256GB)は2230と3042が空きます。
映像出力の6.0はHDMIとDisplayPortの2系統によるものです。
設置性の10.0は約1.5kgによるもの。当サイトの換算(5kg=10.0)の上限に張り付きます。SE10-Iは約2kgです。
エッジ端末のスペック目安
どのくらいのスペックが必要かは、使い方によって変わります。目安は以下のとおりです。
| CPU | メモリ | ストレージ | |
| 表示とデータ送信が中心(サイネージ・ゲートウェイ) | Intel Atom/Celeron 相当 | 8GB〜16GB | 256GB以上 |
| POSや受付など、業務アプリを動かす | Intel Core i5/Core 5 相当 | 16GB | 256GB以上 |
| 複数のカメラ映像やセンサーをまとめる | Intel Core i7/Core 7 相当 | 32GB | 512GB以上 |
| エッジでAI推論まで走らせる | GPU/NPU搭載のSoC | 32GB以上 | 512GB以上 |
この機種は表のいちばん上の行が目安です。センサーの値を集めて送る、サイネージを表示する、といった役割の端末です。
ThinkEdge SE10 / SE10-Iのスペック
主なスペックは以下のとおりです。購入時に選択できる項目には「※選択可能」と記載しています。
| 項目 | 内容 |
| 筐体 | 小型エッジデバイス(SE10/SE10-I の2種類) |
| 製品番号 | SE10:12NJS0SU00(Atom x6214RE・8GB・256GB)/12NJS0SV00(Atom x6425RE・32GB・512GB) SE10-I:12NLS09800(8GB)/12NLS09900(16GB) |
| OS | SE10:Ubuntu Server 22.04(英語版)/Windows 11 IoT Enterprise LTSC 64bit(日本語版) ※構成により異なります 稼働確認:Windows 11/10 IoT Enterprise LTSC(64bit)、Ubuntu Core 22.04、Ubuntu Server 22.04 |
| CPU | インテル Atom X6214RE プロセッサー(2コア・1.40GHz・キャッシュ2MB) インテル Atom X6425RE プロセッサー(4コア・1.90GHz・キャッシュ2MB) NPU:なし |
| チップセット | CPUに統合 インテルAMT・vPro:非対応 |
| メモリ | 8GB(8GB×1)/16GB(16GB×1)/32GB(16GB×2)DDR4 SDRAM SODIMM ※構成により異なります 最大32GB/2スロット |
| ストレージ | 256GB/512GB SSD(PCIe NVMe/M.2・OPAL2.0対応) ※構成により異なります SE10-I は 64GB eMMC+256GB SSD の構成もあります |
| グラフィックス | インテル UHD グラフィックス(CPU内蔵)/ビデオRAM 最大約4〜16GB(メインメモリと共有) HDMI 3840×2160ドット/DisplayPort 4096×2160ドット(アナログ出力なし) |
| 拡張スロット | M.2 2280:1/M.2 2230:1/M.2 3042:1 ※空き数は構成により異なります 拡張ベイ:なし |
| セキュリティ | TPM(TCG V2.0準拠)、パワーオンパスワード、ハードディスクパスワード、スーパーバイザーパスワード、ケーブルロックスロット(3×7mm) |
| 無線 | SE10:構成により「なし」またはインテル Wi-Fi 6E AX210+Bluetooth v5.2+LTE-Advanced(nanoSIM) SE10-I:インテル Wi-Fi 6E AX210+Bluetooth v5.2+LTE-Advanced(nanoSIM) |
| 有線LAN | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T/2.5GBASE-T(Wake on LAN対応)オンボード×2 |
| シリアルポート | SE10:2(RS-232/422/485規格対応)/SE10-I:4(同) |
| オーディオ | ハイデフィニション オーディオ/スピーカー・マイクロホン・カメラなし |
| 本体寸法 | SE10:約 179 × 135 × 34.5mm/SE10-I:約 179 × 135 × 61.5mm(幅×奥行×高さ) |
| 重量 | SE10:約1.5kg/SE10-I:約2kg(いずれも最大構成時) |
| 電源 | SE10:ACアダプター 65W(効率88%)/AC 100-240V(50/60Hz) SE10-I:DC 電源 9〜36V・3ピン(外部給電システムが必要) |
| 使用環境 | SE10:温度 0〜50℃/湿度 0〜95% SE10-I:温度 -20〜60℃/湿度 0〜95% 保存環境(共通):温度 -40〜85℃/湿度 10〜90% |
| 保証 | 1年間 |
SE10とSE10-Iの違い

この製品にはSE10とSE10-Iの2つの筐体があります。レノボの製品ページでも1つのページにまとめられています。
| 項目 | SE10 | SE10-I |
| 本体寸法 | 179×135×34.5mm | 179×135×61.5mm |
| 重量 | 約1.5kg | 約2kg |
| シリアルポート | 2(RS-232/422/485) | 4(同) |
| 電源 | ACアダプター 65W | DC 9〜36V(外部給電) |
| 使用温度 | 0〜50℃ | -20〜60℃ |
| 無線 | 構成により なし/Wi-Fi 6E+LTE | Wi-Fi 6E+LTE(標準) |
| ストレージ | 256GB/512GB SSD | 64GB eMMC+256GB SSD |
| メモリ | 8GB/32GB | 8GB/16GB |
いちばん大きな違いはシリアルポートの数と電源です。SE10-Iはシリアルが4つ(SE10は2つ)、電源はDC 9〜36Vの外部給電(SE10はACアダプター)になります。
使用温度も違います。SE10は0〜50℃、SE10-Iは-20〜60℃。氷点下の倉庫や屋外の機器箱に置くならSE10-Iです。保存温度は共通で-40〜85℃です。
そのぶんSE10-Iは背が高くなります。高さ61.5mm(SE10は34.5mm)、重量は約2kg(SE10は約1.5kg)。幅と奥行きは同じです。
無線もSE10-IはWi-Fi 6EとLTEが標準。SE10は構成によって「なし」のものがあります。
ストレージの構成も違い、SE10-Iは64GBのeMMCに256GBのSSDを足す形です。
シリアルがRS-232/422/485に対応

端子の構成は以下のとおりです。
| 端子 | 数 | 位置 |
| USB-A(USB 3.2 Gen2) | 2 | 前面 |
| USB 2.0(Type-A) | 2 | 背面 |
| シリアルポート(RS-232/422/485) | 2(SE10-Iは4) | — |
| 有線LAN(RJ-45・2.5GBASE-T対応) | 2 | — |
| DisplayPort | 1 | — |
| HDMI | 1 | — |
| マイク入力 | 1 | 前面 |
| ヘッドホン出力 | 1 | 前面 |
シリアルポートがRS-232/422/485の3規格に対応します。当サイトで扱ったThinkEdgeのなかで、規格まで明記されているのはこの機種だけです。
RS-485は長距離の多点接続に使われる規格で、工場のセンサーやFA機器では標準的です。変換アダプターを挟まずに直接つなげるのは、この手の現場では大きな違いになります。
SE10は2つ、SE10-Iは4つ。つなぐ機器の数で選ぶ形です。
有線LANは2系統で、どちらも2.5GBASE-Tに対応します。制御系と業務系を分ける使い方ができます。
USBは前面にType-Aが2つ(USB 3.2 Gen2)、背面にUSB 2.0が2つ。USB Type-Cはありません。
映像はHDMI(3840×2160ドット)とDisplayPort(4096×2160ドット)の2系統。オーディオは前面にマイク入力とヘッドホン出力が別々にあります。
CPUはAtom
CPUは2種類です。
| CPU | コア数 | クロック | キャッシュ | PassMark |
| Atom x6425RE | 4コア | 1.90GHz | 2MB | 2,817(サンプル22件) |
| Atom x6214RE | 2コア | 1.40GHz | 2MB | 1,109(サンプル2件・参考値) |
Atom x6425REは4コアで1.90GHz、キャッシュ2MB。PassMarkは2,817で、ノートPC向けCPU440件のなかでは下のほうです。
下位のAtom x6214REは2コアで1,109。ただしこちらはPassMarkのサンプルが2件しかなく、誤差の大きい参考値です。
当サイトのCPUの換算は一般向けのPCを基準にしているため、この数値はそのまま弱点とは読めません。Atomは消費電力を6〜12Wに抑えた型番で、センサーの値を集めて送る、サイネージを表示する、といった役割に合わせた選択です。
ただし業務アプリを動かす端末としては力不足です。POSや受付の画面を動かすなら、同じThinkEdgeのSE30(Core i5-1145G7E・8,892)のほうが合います。
NPUはありません。vProとインテルAMTにも非対応です。
CPUの具体的な数値は、当サイトの比較表でご確認いただけます。
上位構成はLTEを標準で積む

SE10の上位構成(12NJS0SV00)とSE10-Iは、WWANの欄が「LTE-Advanced対応(nanoSIM)」です。オプションではなく標準の記載になっています。
有線を引けない倉庫や屋外の設備、仮設の売り場でも、SIMを挿すだけで通信できます。無線LANはインテル Wi-Fi 6E AX210で、6GHz帯にも対応します。
一方、SE10の下位構成(12NJS0SU00)はWLANもWWANもBluetoothも「なし」です。有線でつなぐ前提の構成になります。
M.2スロットは2280・2230・3042の3つ。上位構成はいずれも埋まっています(SSD・無線カード・WWANカード)。下位構成は2230と3042が空くので、あとから無線を足す余地があります。
メモリは2スロットで上限32GB。上位構成は16GB×2で埋まっていますが、8GB構成なら1スロット空きます。
TPMはTCG V2.0準拠のチップを積みます。ケーブルロックスロット(3×7mm)もあります。
保存温度は-40〜85℃

使用温度はSE10が0〜50℃、SE10-Iが-20〜60℃。湿度はどちらも0〜95%です。
保存温度は共通で-40〜85℃。当サイトで扱ったThinkEdgeのなかでいちばん広い範囲です。SE30・SE50・SE70はいずれも-40〜60℃です。輸送や長期保管の条件がゆるくなります。
ファンはありません。本体の上面が放熱フィンになっていて、空気を動かさずに熱を逃がします。
カメラ・スピーカー・マイクはいずれもありません。人が前に座って操作する端末ではなく、設備に組み込んで使う前提の構成です。
電源はSE10が65WのACアダプター(効率88%)、SE10-IがDC 9〜36Vの3ピン外部給電です。
保証は1年間です。
ThinkEdgeの3機種で比べる

当サイトで扱ったThinkEdgeと並べると、以下のようになります。
| 項目 | ThinkEdge SE10(本機) | ThinkEdge SE30 | ThinkEdge SE50 |
| CPU(上位) | Atom x6425RE(2,817) | Core i5-1145G7E(8,892) | Core i7-8665UE(5,017) |
| メモリ | 2スロット・上限32GB | オンボード・上限16GB | 2スロット・上限32GB |
| 有線LAN | 2系統(2.5GBASE-T) | 2系統 | 6系統 |
| シリアル | 2(RS-232/422/485) | 2 | 2 |
| WWAN | 上位構成に標準 | なし | なし |
| 保存温度 | -40〜85℃ | -40〜60℃ | -40〜60℃ |
| 重量 | 約1.5kg(SE10-Iは約2kg) | 約1kg | 約3.21kg |
| 保証 | 1年間 | 1年間 | 3年間 |
こちらが上なのはシリアルの規格対応(RS-232/422/485)、保存温度(-40〜85℃)、そしてWWANの標準搭載です。有線LANも2.5GBASE-Tに対応します。
ThinkEdge SE30が上なのはCPU(8,892)、本体の小ささ(約1kg)、Thunderbolt 4、vPro対応です。業務アプリを動かすならあちらになります。
ThinkEdge SE50が上なのは有線LANの数(6系統)、拡張ベイ、保証(3年間)です。ネットワークを束ねるならあちらです。
「産業用の機器につなぐ。処理は軽くていい」という条件なら、この機種が合います。SE10-Iを選べば、置ける温度の範囲がさらに広がります。
レビューは以上です。
詳細について気になる方はレノボ公式サイトからご確認お願いします。
まとめ

ThinkEdge SE10 / SE10-Iのレビューをしました。
この機種の特徴は大きく分けて3つです。
- シリアルがRS-232/422/485に対応。SE10は2つ、SE10-Iは4つ
- SE10-Iは-20〜60℃対応でDC 9〜36Vの外部給電
- 上位構成はLTE(nanoSIM)を標準搭載
産業用の機器につなぐためのエントリー向けエッジ端末です。シリアルがRS-232/422/485に対応し、SE10-Iなら4つ。保存温度は-40〜85℃で、上位構成はLTEを標準で積みます。
弱いのは処理性能です。Atom x6425REのPassMarkは2,817。業務アプリを動かす端末としては力不足です。USB Type-Cもありません。
業務アプリを動かすなら、同じThinkEdgeのSE30(Core i5-1145G7E・8,892・約1kg・Thunderbolt 4)のほうが合います。
今回の記事が少しでもエッジ端末選びの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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