こんにちはマサです。
今回はASUS ProArt P16(H7607)・クリエイター向けノートPCのレビューをしていきます。
結論からお伝えすると、
NVIDIA RTX Sparkを積んだ16.0型のクリエイター向けノートPCです。このページで扱うのはメモリ128GB・ストレージ1TBの構成(H7607BA-NX1281WHP)です。
RTX Sparkは、6,144基のCUDAコアを持つBlackwell RTX GPUと20コアのNVIDIA Grace CPUを1つにまとめたチップ。ASUSは最大1ペタフロップス(FP4)のAI性能をうたっています。
メモリは128GBのLPDDR5Xで、CPUとGPUが同じメモリを共有するユニファイドメモリ方式。ディスプレイは16.0型 4Kの有機ELで、120Hzの可変リフレッシュレートに対応します。バッテリーは99.9Wh、重量は1.77kgです。
いっぽうでCPUはArmベース。PassMarkの登録サンプルが14件しかなく、数値は参考値として扱う必要があります。価格も当サイトで扱ってきたノートPCの中でかなり高い部類に入ります。
ASUS ProArt P16(H7607)の評価
※評価はmasalog運営者の主観です
各項目は1.0〜5.0で評価しています。
| 点数 | 意味 |
| 5.0 | このクラスで最高水準 |
| 4.0 | 十分に満足できる |
| 3.0 | 標準的。価格なりで不足はない |
| 2.0 | 用途によっては足りない |
| 1.0 | おすすめしない |
5項目の内容は以下のとおりです。
| 項目 | 見ているもの |
| 処理性能 | CPU・メモリ・ストレージ。書き出しやビルド、重いデータの扱いやすさ |
| グラフィックス | 搭載GPU。3D・CAD・映像編集・AI処理の速さ |
| コスパ | 絶対的な価格の安さではなく、同じ性能帯の相場と比べて価格が妥当かどうか |
| 携帯性 | 重量・本体サイズ・バッテリー容量 |
| 拡張性・端子 | 端子の種類と数、メモリやSSDの増設可否 |
総合点は5項目の平均ではなく、「この製品を人に薦められるか」という視点で別途付けています。
向いている人
- 手元で大きなAIモデルを動かしたい方(128GBのユニファイドメモリです)
- CUDAを使う開発や生成AIのワークフローを持ち歩きたい方
- 色を追い込む作業をする方(100% DCI-P3・Delta E<1・最大1,600nitです)
- 16型の広い画面で作業したい方(4Kの有機ELです)
向かない人
- x86向けのソフトを中心に使う方(ArmベースのWindowsです)
- ベンチマークの数値を根拠に選びたい方(PassMarkのサンプルは14件です)
- 価格を抑えたい方(当サイトで扱うノートPCの中でもかなり高い部類です)
- 有線LANが必要な方(RJ45はありません)
ASUS ProArt P16(H7607)のスペック評価
各パーツの性能をレーダーチャートにしました。評価の付け方は下のトグルからご確認いただけます。
各項目は10点満点です。主観で付けるのではなく、当サイトのベンチマーク比較表の数値をもとに算出しています。
| 項目 | 基準にしている数値 | 換算のしかた |
| CPU | PassMark(CPU Mark) | ノートPC向けCPU448件の最高値で10.0、中央値で5.0 |
| グラフィックス | PassMark(G3D Mark) | ノートPC向けGPUの最高値で10.0、ミドルクラスで5.0 |
| メモリ | 容量 | 8GB=6.0/16GB=7.5/32GB=9.0/64GB=10.0 |
| ストレージ | 容量と規格 | 256GB=5.0/512GB=7.0/1TB=8.5/2TB=10.0(Gen5は+0.5) |
| ディスプレイ | 解像度・パネル・リフレッシュレート | フルHD/60Hz=5.0を基準に、解像度とHz、有機ELを加点 |
| バッテリー | バッテリー容量(Whr) | 50Whr=5.0/80Whr=8.0/100Whr=10.0 |
CPUとグラフィックスは、以下の比較表の数値をそのまま使っています。
ASUS Storeで売られている構成(RTX Spark N1X・128GB・1TB)で評価しています。
CPUの8.5はPassMark 39,895によるものですが、登録サンプルが14件しかない参考値です。ノートPC向けCPU448件の中央値(14,714)の2.7倍にあたります。サンプルが増えれば数値は動きます。
グラフィックスの6.7は、CPUに内蔵されたNVIDIA Blackwell RTX 6144-core GPUのG3D Mark 16,865(videocardbenchmark.net)によるものです。内蔵GPUなので当サイトのGPU比較表には載っていません。ノートPC向けGPUの換算式(最高値28,373/5.0の基準13,000)で計算しました。単体GPUでいうとRTX 5060 Laptop GPU(16,758)とほぼ同じ数値です。
ディスプレイの10.0は16.0型 3,840×2,400の有機EL・120Hzによるものです。
バッテリーの10.0は99.9Whによるもの。メモリの10.0は128GBによるものですが、当サイトの換算は64GBで上限(10.0)に達するので、128GBでもそれ以上にはなりません。
クリエイター向けノートPCのスペック目安
どのくらいのスペックが必要かは、扱うデータと作業内容によって変わります。目安は以下のとおりです。
| CPU | メモリ | GPU | |
| 写真編集・資料作成が中心 | Intel Core Ultra 5〜7 AMD Ryzen AI 7 | 16GB〜32GB | CPU内蔵 RTX 5050以上 |
| フルHD〜4Kの動画編集をする | Intel Core Ultra 7〜9 AMD Ryzen AI 9 | 32GB | RTX 5060以上 |
| 3D・モーショングラフィックスをする | Intel Core Ultra 9 AMD Ryzen AI 9 HX | 32GB〜64GB | RTX 5070以上 |
| 8K編集・生成AI・大規模な3Dを扱う | Intel Core Ultra 9 HX AMD Ryzen AI Max+ | 64GB以上 | RTX 5080以上 CPU内蔵の大容量メモリ機 |
この構成は表の「8K編集・生成AI・大規模な3Dを扱う」の行に当てはまります。メモリが128GBあり、CPUとGPUでそれを共有できるためです。いっぽうでグラフィックスの数値自体はRTX 5060 Laptop GPUと同じくらいなので、映像の書き出し速度そのものを求めるならRTX 5080やRTX 5090を積む機種のほうが上です。
ASUS ProArt P16(H7607)のスペック
主なスペックは以下のとおりです。購入時に選択できる項目には「※選択可能」と記載しています。
| 項目 | 内容 |
| 筐体 | クリエイター向けノートPC(ネオホワイト/ナノブラックも選択可能) |
| モデル番号 | H7607BA-NX1281WHP |
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | NVIDIA RTX Spark N1X(6,144コアのBlackwell RTX GPU+20コアCPU) ※Armベースのプロセッサです |
| グラフィックス | NVIDIA Blackwell RTX 6144-core GPU(CPU内蔵) |
| AI性能 | 最大1ペタフロップス(FP4) |
| ディスプレイ | 16.0型 有機EL(3,840×2,400)タッチパネル対応 120Hz/可変リフレッシュレート対応 HDRピーク輝度 最大1,600nit/100% DCI-P3/Delta E<1/反射防止コーティング 表面:グレア(Corning Gorilla Glass 3) ※仕様表に画素数の記載はありません。製品ページとASUS Storeの商品画像の「4K 3,840×2,400」によるものです |
| メモリ | 128GB LPDDR5X(オンボード・ユニファイドメモリ) |
| ストレージ | 1TB(PCI Express 4.0 x4接続 NVMe/M.2) |
| 入出力 | USB4(Type-C/Power Delivery対応)×3 USB3.2 Gen2(Type-A)×1 HDMI×1 SDカードスロット×1 |
| キーボード | 82キー日本語キーボード(イルミネート・JIS配列) |
| Webカメラ | 207万画素 赤外線(IR)カメラ(Windows Hello対応) |
| 無線 | Wi-Fi 7(802.11be)/Bluetooth 5.4 |
| バッテリー | リチウムポリマー(4セル/99.9Wh) |
| ACアダプター | 140W(Type-C・28V/5A) |
| 付属品 | 専用スリーブ、ACアダプター、製品マニュアル、製品保証書 |
| サイズ | 354.1×243.0×12.9〜15.9mm |
| 重量 | 1.77kg |
CPUはNVIDIA RTX Spark N1X
| CPU | コア数 | スレッド数 | AI性能 | PassMark |
| RTX Spark N1X(6,144コアGPU+20コアCPU) | 20コア | 20スレッド | 最大1ペタフロップス(FP4) | 39,895(サンプル14件) |
| RTX Spark N1X(5,120コアGPU+18コアCPU) | 18コア | — | — | — |
このノートPCの中心にあるのはNVIDIA RTX Sparkです。6,144基のCUDAコアを持つBlackwell RTX GPUと、20コアのNVIDIA Grace CPUを1つのチップにまとめたもので、ASUSは最大1ペタフロップス(FP4)のAI性能をうたっています。
PassMarkには39,895として登録されていますが、サンプル数は14件です。当サイトの比較表では、サンプルの少ないCPUは参考値として扱っています。ノートPC向けCPU448件の中央値(14,714)の2.7倍にあたる数値ですが、今後動く可能性があります。
ASUSは「パーソナルAIエージェント向けに最適化された世界初のWindowsパソコン」と紹介しています。CPUはArmベースなので、x86向けに作られたソフトは互換レイヤー経由で動くことになります。使っているソフトの対応状況は、購入前に確認しておきたいところです。
ASUSの仕様表には、5,120コアのGPUと18コアのCPUを組み合わせた下位のチップも載っています。どの構成がどちらを積むかは仕様表からは読み取れません。
CPUの具体的な数値は、当サイトの比較表でご確認いただけます。
グラフィックスはCPU内蔵のBlackwell RTX
| GPU | 種別 | PassMark(G3D Mark) |
| NVIDIA Blackwell RTX 6144-core GPU(この構成) | CPU内蔵 | 16,865 |
| GeForce RTX 5060 Laptop GPU(参考) | 単体GPU | 16,758 |
| GeForce RTX 5070 Laptop GPU(参考) | 単体GPU | 19,118 |
グラフィックスはCPUに内蔵されたBlackwell RTXで、CUDAコアは6,144基。単体のビデオカードは積んでいません。
videocardbenchmark.netのG3D Markは16,865。単体GPUでいうとRTX 5060 Laptop GPU(16,758)とほぼ同じ数値です。内蔵GPUなので、当サイトのGPU比較表には掲載がありません。レーダーチャートの6.7は、この数値をノートPC向けの換算式に当てはめて計算したものです。
数値だけを見るとミドルクラスですが、このチップの持ち味はメモリの使い方にあります。CPUとGPUが128GBのメモリを共有するので、ビデオメモリの容量で頭打ちになりやすい処理(大きなAIモデルの実行や高解像度の素材を並べた編集)で効いてきます。ASUSは1,200億パラメータのLLMの実行や12K・4:2:2の動画編集を例に挙げています。
レイトレーシング、DLSS、NVIDIA Reflex、G-SYNCといったGeForceの機能にも対応します。
GPUの具体的な数値は、当サイトの比較表でご確認いただけます。
メモリは128GB。CPUとGPUで共有する
メモリは128GBのLPDDR5Xで、基板に直付けのユニファイドメモリです。CPUとGPUが同じメモリを使うので、両者の間でデータを受け渡す手間が減ります。
当サイトの換算は64GBで上限(10.0)に達するため、128GBでも数値は10.0のままです。レーダーチャートからは、この機種のいちばんの特徴が読み取れない点に注意してください。
ストレージは1TBのPCI Express 4.0接続。4つある構成はすべて1TBです。
下位の構成では48GBと24GBが選べます。大きなモデルを手元で動かすのが目的なら、128GBの構成を選ぶ意味は大きくなります。
ディスプレイは16.0型の4K有機EL
ディスプレイは16.0型の有機ELで、解像度は3,840×2,400。タッチパネルに対応し、表面はCorning Gorilla Glass 3のグレアです。
ASUSはこのパネルを「ASUS Lumina Pro OLED」と呼んでいて、120Hzの可変リフレッシュレート、HDRのピーク輝度 最大1,600nit、100% DCI-P3、工場出荷時のキャリブレーションによるDelta E<1、反射防止コーティングを挙げています。反射防止コーティングは映り込みを最大65%抑えるとしています。
当サイトの換算ではこのディスプレイが10.0です。フルHD・60Hzの液晶を5.0としています。
※ASUSの仕様表には画素数の記載がありません。製品ページの「4K」という表記と、ASUS Storeの商品画像にある「3,840×2,400」をもとにしています。
端子はUSB4が3つ。有線LANはなし
端子の構成は以下のとおりです。
| 端子 | 数 |
| USB4(Type-C・Power Delivery対応) | 3 |
| USB3.2 Gen2(Type-A) | 1 |
| HDMI | 1 |
| SDカードスロット | 1 |
| 有線LAN(RJ45) | なし |
USB4のType-Cが3つあります。いずれもPower Deliveryに対応するので、充電する側の口を選びません。付属のACアダプターも140WのType-Cです。
Type-Aは1つ、ほかにHDMIとフルサイズのSDカードスロットがあります。有線LAN(RJ45)はありません。無線はWi-Fi 7とBluetooth 5.4です。
1.77kgの筐体と4つの構成
本体は354.1×243.0×12.9〜15.9mm、重量は1.77kg。CNC加工のアルミ筐体です。
本体カラーはネオホワイトとナノブラックの2色。ナノブラックは指紋が付きにくい仕上げ、ネオホワイトはサンドブラスト加工のシルバーホワイトだとASUSは説明しています。
ASUSの仕様表に載っている構成は以下の4つです。
| ASUSの構成 | メモリ | ストレージ | 本体カラー |
| H7607BA-NX1281WHP(この記事の構成) | 128GB | 1TB | ネオホワイト |
| H7607BA-NX1281BLP | 128GB | 1TB | ナノブラック |
| H7607BA-NX481BLP | 48GB | 1TB | ナノブラック |
| H7607BA-NX241BLP | 24GB | 1TB | ナノブラック |
ASUS Storeで扱っているのは128GBの構成です。
画面サイズの違うASUS ProArt P14(H7407)も、同じRTX Sparkを積んでいます。
レビューは以上です。
詳細について気になる方はASUS公式サイトからご確認お願いします。
まとめ
ASUS ProArt P16(H7607)のレビューをしました。
この機種の特徴は大きく分けて3つです。
- NVIDIA RTX Spark(6,144コアのBlackwell RTX GPU+20コアCPU)
- 128GBのユニファイドメモリをCPUとGPUで共有
- 16.0型 4Kの有機EL(120Hz・最大1,600nit・Delta E<1)
手元で大きなAIモデルを動かすことを前提に作られた、16.0型のクリエイター向けノートPCです。128GBのユニファイドメモリと、CUDAがそのまま使えるBlackwell RTXという組み合わせは、ほかのノートPCにはあまりない構成です。
注意したいのは、CPUがArmベースであること、PassMarkのサンプルが14件しかなく性能の数値が参考値であること、そして価格が高い部類に入ることです。使うソフトがArm版Windowsで動くかどうかを確かめてから選ぶことをおすすめします。
今回の記事が少しでもノートPC選びの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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